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ランキング巡回ログ #14 ~達観しすぎたリッチー~

世界を滅ぼせるほど強いのに、
ただ静かに暮らしたいだけの主人公がいる。


今日は、以前ランキング巡回で読んだ作品を紹介したい。
過去におすすめした作品について、一読者としての率直な感想を語ろうと思う。

『ただ平穏にちょっと楽しく暮らしたい死霊魔導士の日常と非日常』
https://kakuyomu.jp/works/16816452219748981478


タイトルから分かる通り、この作品は平穏を望む主人公の日常系異世界ファンタジーである。

ただし、その「平穏」はあまり実現しない。

主人公はチート級の力を持つリッチー。
本来なら世界をひっくり返すこともできそうな存在だ。

しかし本人はただ、静かに、少し楽しく暮らしたいだけ。

ところが周囲はそうさせてくれない。
理不尽な依頼や面倒ごとが次々と舞い込んでくる。

そして主人公は毎回「やれやれ」と言いながらも、結局それを引き受けてしまう。
しかも大抵は期待以上の成果で。

その結果、さらに面倒ごとが増えていく。
この繰り返しが、この作品の基本的な構図になっている。


この構図をどう受け止めるかで、作品の印象はかなり変わると思う。

例えば、次々と寄ってくる猫に囲まれて困りながらも、結局面倒を見てしまう人のような光景として読むこともできる。

超越的な力を持ちながらも、怒りで世界をねじ伏せることはしない。
淡々と状況を受け止め、誠実に対応していく。

その姿には、精神的に達観した余裕があり、独特の味わいがある。


ただし、この構図は人によっては引っかかるかもしれない。

理不尽な相手に振り回され、便利に使われているように見える場面もあるからだ。

本作には、誤解を一気に解いてスカッとさせるような「ざまあ」展開はほとんどない。
主人公は強く糾弾することもなく、あくまで達観した立場から状況を受け止めてしまう。

作者の前書きでも触れられているが、この作品は「サポート系主人公」の物語でもある。
主人公が表舞台で名声を得るというより、裏から状況を整え、人を助けていく立ち位置なのだ。

そのため、爽快なカタルシスを求めて読むと、ややもどかしく感じる人もいるだろう。

とはいえ、この作品の面白さはむしろそこにある。

超越者が力で世界をねじ伏せるのではなく、
怒りで状況を変えるわけでもなく、
ただ静かに、淡々と世界と付き合っていく。

この“達観した主人公”の空気感が、この物語の独特の味わいになっている。

私のおすすめレビューでは☆2をつけている。
https://kakuyomu.jp/works/16816452219748981478/reviews/822139844759670162

作品の個性はとても面白いのだが、爽快感の弱さや構図の好みは分かれると感じたためだ。

ただ、この静かな雰囲気が合う人には、じわじわと面白く感じられるタイプの作品だと思う。
最強主人公でも無双しない物語や、裏から世界を動かすサポート型主人公が好きな人には、十分おすすめできるはずだ。


ランキング巡回をしていると、こういう少し毛色の違う作品にも出会う。

さて、次はどんな作品に出会えるだろうか。
今日もまた、ランキング巡回の続きだ。

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