レビューコメントをいただき心より感謝致します。
以下の内容です。
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「鉄路は、ただ列車が走る場所ではない」
このコレクションは、鉄道趣味の話でも、車両知識の話でもない。
とことん現場の声であり、怒りと祈り、魂の叫びだ。
線路のそばに立ち、列車の風圧を受け、旗を振り、時針を合わせ、退避を確認し、ただ「今日も誰も死なせない」そんな当たり前であるべき日常のために働いていた人の記録です。
印象的なのは、何も起きないことの重さです。
列車が定刻で通過する。
作業員が全員戻る。
工具が残っていない。
線路閉鎖が解除される。
始発列車が何事もなく走る。
普段なら当たり前に見えるその一つひとつの裏に、どれほどの確認と手続きと緊張が積み重なっているのか。本作は、その見えない仕事を静かに、時に激しく、読者の前に差し出してくれます。
「定刻であった」この言葉の何と強き事か。
白旗、秒合わせ、退避確認、線路閉鎖、工具確認。普段は見えない作業の一つひとつが、人命を守るための祈りのように感じられました。
また、線路に無断で踏み入る者への怒りも、単なる罵倒ではありません。そこには、鉄路を遊び場にしてほしくない、事故を娯楽として消費してほしくない、現場で命を預かる人たちへの敬意を忘れてほしくない、という真剣かつ切実な倫理があります。
鉄道を好きな人ほど、読む意味のある作品だと思います。
列車の美しさを見る前に、その列車を安全に走らせている人たちがいる。
その当たり前を、改めて胸に刻ませてくれる作品でした。
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このシリーズは現在連載中の「白旗の向こう側」の原点となった話です。
このレビューを機に、「白旗の向こう側」にも目を留めていただけましたら幸いです。