サンリオSF文庫はSFと銘打っておきながらも、実際は「これってSFなの?」と思うようなものも多くありました。
それらはジャンル的な疑問があっても、傑作であることが多いです。アイディアや創作の強力な手助けとなるものも少なくありません。なので、個人的に今でも読み返す、お世話になっているものを、いくつかご紹介したいと思います。
これら、すべて別の出版社から再版されており、入手は比較的容易です。
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「ザ・ベスト・オブ・サキ1.2」
サンリオから出ていたサキの短編集であり、2巻まで出ています。サキと聞くと、何やら女性のように思われがちですが、ヘクター・ヒュー・モンローというれっきとした男性です。
短編の名手として知られるサキの辛辣な語り口や、ブラックユーモアは、読後に嫌なものを置いていきますが、完成度は総じて高いです。
ちくま文庫で再版されています。
「ジョン・コリア奇談集1.2」
ジョン・コリアも短編の名手ですが、こちらはサキよりも怪奇色、幻想色が強まっています。
コリアは日本ではあまりアンソロジーでも見かけにくく、単行本は比較的貴重な印象があります。これも2巻まであるのですが、2巻はサンリオSFではなくサンリオ文庫から出ています。やはり、SFレーベルで売るのは無理だと判断したのでしょうか。
こちらも、1.2を合わせて再編したものが「ザ・ベスト・オブ・ジョン・コリア」としてちくま文庫で再版されています。
「キングとジョーカー」
これはSFでなく架空の王室で起こった殺人事件を題材としたミステリーと言ったほうが適切です。
ピーター・ディキンスンの世界観は総じて奇妙でありますが、論理的破綻がないというのがさらに奇妙なところです。子供を主人公にしたり、ファンタジックな童話のような世界設定を用いて、強烈なプロットで認識を揺さぶるのがディキンスンの特徴。刺さる人には深く刺さると思います。
こちらは扶桑社から再版されています。
「深き森は悪魔のにおい」
タモリ倶楽部のOPのようなジャケットは一目見ただけで「あ~」ってなってしまう、この小説。内容はオカルト寄りのミステリーであり、SFと考えるのは難しいかと思われます。
主人公の語り口や独自のユーモアは好みがきっぱりと分かれると思いますが、巧みなプロットや高度な筆力はさすがであり、完成度は非常に高いです。
こちらは「チャーリー・モルデカイ (3) ジャージー島の悪魔」として角川文庫から再版されています。映画は賛否があったようですが、もし続編が作られるのなら、ジョニーデップがこれをやるのか!?
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SFかどうかはさておき、どれも「読んでよかった」と思える作品ばかりです。
案外、その曖昧さこそが一番の魅力かもしれません。
ここまで、お読みいただきありがとうございました。では、また!