史実において、原田左之助は上野戦争で銃撃を受けますが、その場では死なず、本所にある神保伯耆守邸(あるいは松本良順の病院)まで退却し、数日後に傷が悪化して亡くなったとされています。享年29歳。
ですが、本作ではあえて「戦場での爆炎の中への消失」として描かせていただきました。
「死に損ない」と呼ばれ、切腹しても死ななかった豪傑が、近代兵器(大砲や銃)の前では、その槍技を振るう間もなく、顔も見えぬ敵に討たれる。 その「無念」と「時代の非情さ」を、相馬主計の視点で鮮烈に描きたかったためです。
折れた槍だけが残るラストシーン。 あれは、侍の時代の終わりを象徴させました。
永倉新八とはまた違う、もう一人の兄貴分・原田左之助の散り際。 ぜひ本編で見届けてやってください。