「​円城塔賞」を含む小説

一人の女が暗い空を見上げていた。 そこに浮かぶ白い光が、自分を呼んでいるような気がするのだ。 「どこへも行かないでくださいね」 四人の男たちが現れて、あの手この手で女の気を惹…

私には兄がいたように思う。 夏になると、匂いで思い出が蘇るのだ。

出版社で働く魔床（まゆか）の出張先での出来事。 緑あふれる大自然に一番溢れていたものは何……？

漫画家を志す青年・創（はじめ）は行きつけのブックカフェで「このカフェには毎週ペンギンが本を借りにくる」という奇妙なうわさ話を耳にした。馬鹿げた法螺話だと決めつけて相手にしていなか…

妻を亡くした73歳の佐藤恵一は、夜ごと公園で星を眺めて過ごしていた。ある夜、母の余命を知って泣く7歳のゆりと出会い、星に願いをかける日々が始まる。二人は家族のような絆を育むが、や…

死に直面した時の、生への執着を書いた作品です。 狂気を感じるかもしれません。 ですが、その狂気は美しいと私は信じています。

大学院生の「私」と、同じカフェの向かいの席に通う女性・美月は、三年間一度も会話を交わさず、置き忘れられたノートをきっかけに交換日記を始める。互いの日常や想いを文字で交わす中で特別…

犀川よう様の自主企画、【新作のみ】第二回　さいかわ葉月賞　テーマは「夏」　に応募するため書きました。

水平線の彼方に漂う黒い塊を見つけた郷介。最初は鯨かと思い観察してみるが、どうやら違うらしい。長く、平たく、所々ぼこぼこしたそれは、微動だにせず海を漂い、やがて姿を変え――――。

ここは天界。始まりの神が作った、始まりの“世界”。ここの住人は、全員神か神見習い。 そんな世界には、“世界創りの学校”がある。 そんな“世界創造学校”で活躍する3人の神見習い…

お隣さんちの娘さんはいつもご陽気だ。

「早く死にたい。それでも死ぬのは怖い。」 その言葉に呼応するように少女の元に一本の電話がかかってきた。 自殺補佐員と名乗るその怪物の仕事は一つ。生きるのが嫌になった人間を楽に死な…

伯爵家三男として将来が見込めないヒューは、王子と知り合いになれば贔屓してもらえるかもしれないと「ウィピング・ボーイ（鞭で打たれる少年）」に立候補した。王子が不品行を犯した時に体罰…

読んでの通りの、実録ホラー：「死人（しびと）部屋」の謎の、話です。 先ずは、読んで見て、下さい。

出会いは人生を変える。 陸上もまた、人生を変える。 これは、そんな二つに世界を大きく変えられたとある青年の話。

小学6年生の夏。 安村慶は、友達を誘ってきもだめしをすることにした。 場所は、住んでいる田貫町にある墓地。 実は慶は、幽霊が見えて話をすることもできる。このきもだめしは、慶が幽霊…

　髙﨑颯真は私立夢咲高等学校の高校生。彼はできてまもないマイナー部活・パズル部に入部した。 　パズル部での生活が始まった矢先、「部室の本棚がなぜか綺麗になっている」という事件が…

社会人としても泥棒としても中途半端な男が、盗みに入った家の老婆に夕食を振る舞われる話です。

青蟹記[セイカイキ] 話すカニを捕まえた男の顛末。 『第二回さいかわ葉月賞』『円城塔賞』参加作品。 字数：7000字