第7話
現代。
眩しい照明が灯る放課後の教室で、笑い声が上がった。
「あー! 中村さん、また人狼だったの!?
全然気づかなかったよ、あんなに面白い冗談ばっかり言うから!」
友達に指を差され、中村さんと呼ばれた少女は、てへっと舌を出して笑った。
『えへへ、バレちゃった? 嘘つくのって、なんだか胸がドキドキしちゃうんだよね』
彼女の足元には、古びた木箱が置かれている。
その中には、かつて一人の少女が味わった絶望も、村ひとつを飲み込んだ鮮血も、
すべてが”たかがゲームのルール”として、静かに、安全に眠っている。
少女は次のゲームのために、丁寧にカードを混ぜた。
その指先が、ほんの一瞬、獣のような鋭い動きを見せた気がしたが──誰も、そんなことには気づかない。
「さあ、夜が来ました。皆さんは目を閉じてください」
ゲームマスターの声に合わせ、皆が楽しそうに目を閉じる。
今夜もまた、安全な場所で、狼の物語が繰り返される。
金平糖 白鳥 桜音 @Shiratori_Oune
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