概要
海に嘘をつき続ける老人の話
弁護士の瀬川奈緒は、去年の秋に大きな敗訴を経験して以来、何かが変わってしまった自分を持て余していた。他人の言葉をつい疑ってかかる、その癖がいつのまにか職業の外にも滲み出し、大切な人との関係も壊していた。そんな折、幼なじみの由里に誘われ、友人三人で東京から夜行船に乗り、伊豆諸島の新島へ向かう。
島の小さな宿「しおさい荘」に着くと、オーナーの老人・霧島照夫が出迎えた。朴訥で誠実な佇まいの男で、毎朝自分の目でトーストを焼くことを六十年近く欠かさないという。島で過ごすうち、奈緒は霧島が早朝にひとり浜へ出て、海に向かって何かを呟いている場面を知ることになる。
霧島が抱える秘密とは何か。島の古老が持つ古い記録には、霧島の家と海をめぐる、長い長い言い伝えが記されていた。
嘘とは何か。信じると
島の小さな宿「しおさい荘」に着くと、オーナーの老人・霧島照夫が出迎えた。朴訥で誠実な佇まいの男で、毎朝自分の目でトーストを焼くことを六十年近く欠かさないという。島で過ごすうち、奈緒は霧島が早朝にひとり浜へ出て、海に向かって何かを呟いている場面を知ることになる。
霧島が抱える秘密とは何か。島の古老が持つ古い記録には、霧島の家と海をめぐる、長い長い言い伝えが記されていた。
嘘とは何か。信じると
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!柔らかな風景のなかで、希望を取り戻す物語
胸にすうっと溶け込んでいくような文学作品がある。優しい余韻を残していくような。
弁護士の瀬川奈緒は、敗訴という経験に胸を痛めていた。また、恋人にフラれ傷心を抱えていた」。
そんな折、健二と幼なじみの由里ともに伊豆諸島の新島を訪れることに。彼らをむかえるのは、民宿のオーナー・霧島照夫。ある朝、奈緒は霧島照夫の不可解な習慣を知る……。
弁護士という職業柄、奈緒はどこか機械的な心を持つ人物として描かれる。だが、奈緒自身は、何が悪いのかが分からない。どこか奇妙な古来よりの風習との出会いが、彼女の心を優しく変えていく。
描写にはリアリティがあり、島のゆったりとした風景を詳細にスケッチする。潮騒が…続きを読む