概要
――これを育てるのに水は要らないんだと、先輩は言った。
血液を養分に育つ植物を研究している先輩と、後輩の『僕』のお話です。
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!人の血を求めるその植物は、どんな花を咲かせるのだろうか──。
研究過程で偶然生まれたその植物を育てるのに、水は不要であった。
ただ、人の血が必要だった。
成長に従い、求める血は次第に増え、血を与えながら花が咲くのを心待ちにする先輩の顔色は、どんどん青白くなっていく。
研究者故だろうか、先輩の花を咲かせたいと思う気持ちは、尋常ではない。
作品の文体は淡々としているが、描かれるのは植物に魅入られたものの狂気のように思う。
<自分の血で、花を咲かせたい>と、この植物が思わせているのではないだろうか。
一度この世に誕生してしまったその植物はきっと、これからも“養分”を求め続けるのだろう。 - ★★★ Excellent!!!ホラー好きにとっては唆られる最初の1行目。そしてラスト
小説の1文目が重要だということは、皆様分かっているでしょう。だから、そこに作者様のセンスが出ると思うのです。
この短編の1行目、私の好みにドンピシャでした。
そして、内容も。
怪談系YouTubeを成功させている芸人、好井まさおさんが作った怪談のジャンルで「ナニソレ」というものがあります。
聞き終わってから、これは何だったんだろう? と違和感と共に考察したくなる魅力がある話を指すそうです。
この短編は、その「ナニソレ」に属していると思います。
読み終わってからも、脳の片隅に残る不思議なお話。
考察が好きな方には特にオススメです!