概要
ごめんなさい。洗濯物畳んだら、すぐに温め直します。
「温めるのはお前の仕事じゃないか」
なんの悪びれもなく、いっそ清々しささえ感じる義春《よしはる》さんの声。
料理は、掃除は、洗濯は、それら含む諸々の家事は、わたしの、女の仕事であって男のするべきことではない。
働いてないんだから家事をするのは当然と言うけれど、働きに出たいと表示した意志を握りつぶしたのは誰だったか。
これは、わたしのしごとの物語。
なんの悪びれもなく、いっそ清々しささえ感じる義春《よしはる》さんの声。
料理は、掃除は、洗濯は、それら含む諸々の家事は、わたしの、女の仕事であって男のするべきことではない。
働いてないんだから家事をするのは当然と言うけれど、働きに出たいと表示した意志を握りつぶしたのは誰だったか。
これは、わたしのしごとの物語。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!その瞬間の凄惨な爽快感
年上の夫から「理想の妻」であることを強要される主人公・一葉。
外へ働きに出ることは許されず、家事も妊活も、すべて夫・義春の支配下に。
彼女が置かれた環境は閉塞感に満ちています。
彼女は息苦しいまでの負の感情を抱えていますが、その淀みない筆致に、気づけば最後まで読み進めていました。
「温めるのはお前の仕事じゃないか」
義春のこの言葉の真の意味がわかるとき、物語は一気に加速します。
正常な判断を許さない限界点。
すべてが爆発する場面で感じたのは、絶望でありながら、爽快さでもありました。
「温もり」が降り注ぐラストシーンと、そのあとに待つもの――
読後もしばらくは戦慄が止まらない傑作です。 - ★★★ Excellent!!!ビターとかブラックなんてもんじゃない! この濃厚すぎる絶望の苦みよ!
怖い! 怖い! 救いがない!
冒頭からものすごい閉塞感で、「これ、絶対にこの後に怖いこと起こるやつ!」と確信しながら読み進めることになります。
夫の義春は高圧的で、とにかく自分を「子供を産ませるための道具」くらいにしか見ていないのではないかという感じが濃厚に伝わって来る。
心の中は嫌悪感でいっぱい。もともと好きで結婚した相手でもない。女性にちゃんと「人格」があるかどうかも考えていなさそうな男でもある。
こういう相手だから、いずれはきっと……なんて予想を付けながら読みましたが、結末はそれを凌駕するものとなっていました。
とあるツイスト。そこからのツイスト。閉塞感の更に更に上…続きを読む