1と2、連作で拝読しました。スルーしようとしても暴力に抗えなかった彼と、スルーしようとしても彼を無視しきれなかった彼女。二人の『スルーしきれなかった』綻びの部分に、剥き出しの人間を感じました。また、文体の潔さにも圧倒されました。感情をスルーしようとする冷徹なリズムが、かえって物語の生々しさを引き立てていて、自分にはない強靭な筆致にただただ感服しました。あと、これはすごく個人的な感想なのですが、「釧路」というワードが出ると途端に生々しさが増して、お話に没入させられました。素晴らしいお話ありがとうございました。
このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(382文字)
タイトルにある『スルー』。願い、恐怖、暴力……全てを押し殺して生活する主人公。でも、その『スルー』の中に、生き抜くための必死さが感じられ、胸を締め付けられるような切ない思いに襲われます。そして、辛い境遇にある者同士が自然と繋がり、いびつな関係性を築いてしまうこと。そんないびつな関係の中にも多少の救いがあると想像でき、これもまた切なく胸を締め付けられました。ぜひこの切なさ、味わって貰いたいです。
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