汚れた空を、血肉に変えろ。――ゴミ溜めの錬金術師の静かなる反逆。

空さえも「汚染」と「搾取」の対象となった世界。

富裕層が香料入りの青空を啜る傍らで、主人公・ソラは廃棄場のゴミの中から、喉を焼くような雷雨や酸性の霧を拾い集めます。

本作の魅力は、その徹底した質感の描写にあります。
パチパチと弾ける放電の刺激、澱のような苦味、そして子供たちに贈られる「太陽の匂い」がする綿あめ。
五感を揺さぶる言葉の数々で、煤けた街の風景が鮮やかに脳裏に映し出されます。
じいちゃんから受け継いだ「虹」を封印したまま、ソラが王宮へと持ち込んだのは、一口で人生を壊す猛毒『黒雷の涙』。
偽りの平穏に包まれた王宮をどう揺るがすのか。

一文字一文字が、鈍い光を放つ宝石のような物語。
この「毒」を飲み干したとき、あなたの瞳にもきっと、新しい空が映るはずです。