映画館の暗闇が、人生の記憶と重なる物語

同じ映画を何度も観る。それは単なる鑑賞ではなく、その時、その場所でしか味わえなかった「自分の人生」を確認する作業なのだと、深く納得させられました。

『シン・ゴジラ』から始まり、今の奥様と出会う時期に三度鑑賞した『天気の子』。著者の歩んだ「曇り空」の時期が、スクリーンの光と雨の音に重なる描写が、あまりに優しく、そして切実です。

「天気は、変わる。だが、変わらない思いもある。」

この最後の一行に、一歩ずつ自分の足で歩んできた一人の人間の、静かな強さと誇りを感じました。

創作に向き合う人だけでなく、今、何かに迷いながら進んでいるすべての人に読んでほしい、珠玉の回顧録です。