♯13某週刊誌 2023年6月号掲載《’98年苑花市・大学生Aさん失踪事件》
《’98年苑花市・大学生Aさん失踪事件》
今から25年前、当時大学2年生だったAさんが忽然と姿を消した。
Aさんの同級生達は口を揃えて失踪したAさんのことを
「素行は至って真面目」「不良との付き合いなんてなかった」「事件に巻き込まれるような人じゃない」などと言った
証言をし、Aさんは真面目な大学生であることがわかる。
ここでAさんの失踪前の行動を調べてみた。
筆者は喫茶店でとある女性と会った。
白髪混じりの髪をポニーテルに結んだやつれた顔の細身の中年女性。
この女性こそが、失踪した大学生Aさんの母親だ。
98年にAさんが失踪して以来、警察の捜査も身を結ばず、忽然と姿を消したAさんは現在も未だ見つかっていない。
一時期なんらかの事件に巻き込まれたものかと思ったが、証拠や根拠も何もなく警察は事件性はないものと見ている。
Aさんの母、仮名:恵子さん(65)は今も毎年、苑花市内で有力な情報を求めてビラを配り続けている。
恵子さんは、Aさんを女で一つで育て上げてきたと語っていた。
「未だに信じられないんです。あの子が、いない現実が信じられないんです……。
25年経った今もまだ、受け入れられません。
あの子がいなくなってからもあの子の部屋は今もそのままなんです、ふらっとお母さんただいまと帰ってくるんじゃないか、どこかで元気にやっているのではないのかって思うんです」
そう恵子さんは、涙ながら語った。
悲痛な子を思う母親の声だった……。
Aさんの失踪前の行動を聞くと、当時を恵子さんは振り返った。
「晩ごはんを食べて夜の8時頃だったかな?学校の後輩達と出掛けて来るって。
免許もとって新しい車も買ったから、車を見せびらかすと言ってました。
それが、あの子との最後の会話でした。」
深夜の12時を過ぎてもAさんが、自宅に帰ってくることはなかった。
翌日、苑花市内にある山道でAさんが乗っていた車が見つかった。
山菜取りに出かけた夫婦が、山道に取り残され止まっている車を見つけた。
ドアはロックされたまま、車内に人影はなく、早朝なのに車のライトが付いたままだったので不自然に思い警察に通報した。
同日、いつまでも連絡しても帰ってこないAさんを心配し恵子さんは警察に行方不明届を提出した。
M県警はAさんがなんらかの事件に巻き込まれた可能性も視野に入れM県警は捜査を開始した。
捜査の過程で分かったことと言えば、山道に取り残されていた車はAさんの車であったことが分かった。
警察がAさんの携帯電話の発信記録を調べたところ、母親の恵子さんが言っていた後輩と見られる少年Bさんと少年Cさんと行方不明になる直前にやり取りしていることが分かったようだ。
筆者は恵子さんにAさんが失踪する前に会っていたとされる少年たちの連絡先を聞いてみた。
当時少年だったBさんとは連絡が取れたが、Cさんとは連絡が一切取ることができなかった。
後日、Bさんと市内のカラオケボックスで待ち合わせ取材を行った。
現在40代のBさんは、懐かしむように当時を振り返った。
Bさん:
当時高校3年だった俺は、よく2コ上の先輩であるAさんに可愛がってもらってました。
俺とAさんはよくつるんでいて、そこに俺の後輩のCが加わったって感じでしたね。
ある日、Aさんが車を買ったっていうんで、いつものメンツで出かけようってなったんです。
どうせなら、青春ぽいことしたいねってことで、心霊スポットに行ってみようって事になったんです。
夜の8時頃に家をこっそりと出て、懐中電灯だとかお菓子やジュースだとかを持ち寄って
●●●●山にある廃墟の洋館に向かいました。(※場所を特定できないように伏字になっております)
洋館に行く途中にあった山小屋にいったん荷物を降ろして、洋館に行ったんですが、俺は気分が悪くなって途中にある山小屋まで引き返しました。
AさんとCの二人で洋館に入っていったんです。
しばらく経ったあと後輩のCが一人で戻ってきました、C曰く先輩はまだ一人で探索を続けるって。
Cからはその洋館はかつては絢爛豪華だった痕跡のある洋館だったと山小屋で語ってました。
時間がたってもAさんは戻ってこなかったので、二人でAさんを迎えに行くかって話してた時に、山小屋の持ち主のおじさんがやってきて子供がこんな時間に出歩くなと怒られました。
Aさんは大人だからそのうち自分で帰れるだろうってことで、山小屋に先に帰ると置手紙を書いて。
おじさんに町の麓まで車で送ってもらいました。
翌日になっても先輩、Aさんは家に戻ってこなかったと聞きました。
後輩のCは程なくして、家庭の事情なのか転校してしまい連絡が取れなくなってしまいました。
今となっては、心霊スポット巡りに行ったあの日のことを後悔しています。
先輩を一人にしてしまったからこそ、行方不明になってしまったので。
当時、警察の人たちは暗い山道で迷子になってしまっただとか、なにかの事件に巻き込まれてしまった可能性もあるだとか言っていましたが。
結局25年経った今もまだ先輩は見つかってないんですよね。
もちろん、その山に警察もAさんを探しに行ったようですが、車以外何も見つからなかったそうです。
俺は、なんだか近づくのも怖くてあれ以来その山に近づいていません。
警察にも当時話しましたが俺が、知っているのはこれくらいです。
Bさんが言っていた、山に何かAさんに繋がるものがあるのだろうか?
筆者はこれからもAさんの行方について追っていこうと思う。
(取材・文/笹木浩太)
【Aさん失踪事件の情報提供をお待ちしております!
お心当たりのある方は、M県警察署まで(電話:◯◯◯-◯◯◯◯)
プロフィール:
笹木 浩太 (ささき・こうた)
1978年M県苑花市生まれ。A崎学院大学社会心理学部卒業。
主に事件事故など記事を担当、みながわ新聞記者を経てフリーに。
Email:sasaki_kouta@smail. com
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荊棘の城(おどろのしろ) 炯螺〜kayla @kayla_kuon
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