閉鎖的な社会における問題と、倒錯する愛、許されない異常な性癖という要素を、ほんの少しのファンタジー要素で恐ろしいほどに薄暗く澱んだ雰囲気を作り出しています。
客観的に見て、登場人物にとって「良かった」と思えるシーンが一つもないという恐ろしさ、そしてその中で登場人物は確かに幸せを感じているという歪さ。これがこの作品をサイコホラーたらしめ、結末まで全て澱のように喉に突っかかるような不快感を与えてきます。
何がどうなっていたら平和だったのかIFの想像すらできない、確かに間違っているはずなのにこれが最善のエンドだったのではとすら思う、読者すら魔性にかかるような作品です。