世界を撃ち抜く「観測」の物語。圧倒的な構成美と詩情に痺れました。
- ★★★ Excellent!!!
冒頭の結婚式と葬式、すなわち「生(結合)」と「死(離散)」という対極の事象から始まり、それが「ロマンス詐欺」という不確定なコミュニケーションの試行を経て、空港という座標へ収束していく流れがあまりにも鮮やかでした。 量子力学的な規格化条件や確率解釈を、現代の「孤独な魂の触れ合い」に重ね合わせる発想に驚かされます。カフェラテかカフェオレか、あるいは愛か詐欺か。観測するまで確定しないという残酷なまでの美しさが、鋭利な刃物のように心に刺さりました。 「事象の地平線」ですべての主語が拡散していくラストのタイポグラフィ、震えるほど格好良かったです。素晴らしい読書体験をありがとうございました。