概要
その贄とされ、命を落としかけていた少女・ブナを救ったのは、見る者を戦慄させる奇怪な容貌の魔導師・ヨウムだった。
スプーンの使い方も、スープの温かさも知らずに生きてきた少女。
いやだと言っていい、ここにいたいと言っていい、こう在りたいと選んでいい——少女はそれすら出来なかった。
心の呪いを、生きる祝いに変えるまで——異形の師と、名もなき少女の再生譚。
【第一部(自立編)】完結済。
ヨウムとブナの出会いから、自立まで描いています。人の再生や、一歩踏み出す姿、師との信頼に惹かれる方にお勧めです。
【第二部(純愛編)】5月末から投稿開始。
ブナが魔導学園の中等部へ入学するところから始まります。人を愛し、傷つき、心を豊かに彩っていく姿を大切
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!見た目よりも本質を見抜く美しい成長譚
人の負の感情が魔力と結びついて生まれる災厄「ミス」が存在する世界の物語は、少女ブナを中心に静かに立ち上がっていきます。
ミスに蝕まれてきたブナを救ったのが、異形の魔導師ヨウム。
彼は誰よりもミスを深く理解し、命を救うことに執着する誠実な人物です。
命の重みを扱うのはとても難しいことですが、本作は見事な人物描写を通じて、再生へ向けた展開を丁寧に綴っていきます。
特に印象的だったのは、マーサとの関わりを通じてブナの女性としての成長を示す場面です。
ブナをあくまで患者として扱い続けるヨウム。
そんな彼に対する自身の姿勢を通じて、ブナは自らの感情を理解し、意志を口にするようになります。
この…続きを読む - ★★★ Excellent!!!無愛想な救済者と、名前を得た少女。続きを読まずにはいられない!
この作品、本当に素晴らしい。
まず、世界観の構築が圧倒的で、ミスという独自の概念を説明過多にならず、物語の流れの中で自然に読み手に伝えていく筆致が見事で、気づけばその世界のルールを当たり前のものとして受け入れている自分がいる。
ヨウムというキャラクターの造形も秀逸。
異様な外見、低い魔力量、同僚からの軽侮。あらゆる意味で外れ者として描かれながら、実は誰より有能で、誰より深く人の命と向き合っている。
その落差が静かで重い説得力を持っていて、読むほど彼への信頼と愛着が積み上がっていく。
シーモアの世界平和のためだという言葉の裏に何があるのか、ブナの膨大な魔力がどんな意味を持つのか…続きを読む - ★★★ Excellent!!!悲しみの先で、人がやさしさを育てていく物語
過酷な過去や痛みがしっかり描かれている物語なのに、読後に強く残るのは、人が少しずつ育っていくことのやさしさと美しさでした。
言葉を覚え、感情を知り、自分で選ぶ力を少しずつ手にしていく姿がとても丁寧に描かれていて、読みながら何度も心を動かされました。
関係性もまた本当に魅力的です。
ただ守る、ただ守られるという形ではなく、互いに影響を与え合いながら信頼を育てていくところが心に残ります。
重い題材を扱いながらも、会話には思わず笑ってしまう面白さや、ほっとするぬくもりがあり、その積み重ねがいっそう愛おしく感じさせてくれます。
悲しさの先にある成長、やさしさ、希望を丁寧に描いていく物語として、こ…続きを読む