おわりに——公式なき信仰の強さ
七福神には創始者がいない。教祖も経典も本山もない。正統な構成を定める権威も存在しない。
だからこそ、七福神は時代の変化に柔軟に対応できた。メンバーが入れ替わっても、神仏分離で神社と寺院に分かれても、「福を求める人々の心」さえあれば、七福神は存続できる。
現代でも、七福神巡りは各地で行われている。新しいコースも次々と作られている。昭和五十年代には日本橋七福神が設定され、平成以降も各地で新たな七福神が誕生し続けている。
七福神とは、民衆が自ら作り上げた「福のパッケージ」である。インド・中国・日本の神々を寄せ集め、「七」という聖数で括り、宝船に乗せて夢に送り込む——この壮大な二次創作は、六百年の時を経て今も続いているのだ。
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次回予告
第二話では、七福神の紅一点・弁財天を取り上げる。インドの河川女神サラスヴァティーは、いかにして日本で蛇を頭に載せた財福の神となったのか。宇賀神との習合、市杵島姫命との同一視——弁財天は「習合の見本市」とも呼べる複雑な変遷を遂げてきた。
七福神① 宝船 くるくるパスタ @qrqr_pasta
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