参考文献・出典

【一次文献・古典籍】


・『もゝ太郎』(享保8年/1723年刊行、赤小本)

 ※現存最古の桃太郎出版物

・『桃太郎昔語』(刊行年不詳、赤本)

・『桃太郎一代記』(天明元年/1781年、北尾政美画、黄表紙)



【学術文献・研究書】


・柳田國男『桃太郎の誕生』三省堂、1933年

 (再刊:角川ソフィア文庫、1983年)

 ※「小さ子」の物語系統としての分析、ミトラ教神話との比較


・小池藤五郎『桃太郎の研究』

 ※第一系統本・第二系統本の分類、「とう団子」から「きびだんご」への変遷


・関敬吾『日本昔話集成』

 ※口承昔話の収集・分類


・滑川道夫『桃太郎像の変容』

 ※桃太郎の歴史的変遷の研究


・山崎舞「昔話『桃太郎』の変転―『再板桃太郎昔語』の諸問題を中心に―」

 『玉藻』第52号、フェリス女学院大学、51-67頁、2018年


・山崎舞「式亭三馬『赤本再興桃太郎』試論」

 『フェリス女学院大学日文大学院紀要』第24巻、33-48頁、2018年


・桃崎祐輔「桃呪術の比較民俗学(1)」

 『比較民俗研究』第2号、筑波大学比較民俗研究会、41-88頁、1990年



【辞典・事典】


・『日本大百科全書(ニッポニカ)』小学館

 「桃太郎」「猿蟹合戦」の項

 ※「旅する動物」話型についての記述


・コトバンク「猿蟹合戦」

 https://kotobank.jp/word/猿蟹合戦-70073



【ウェブ資料】


・Wikipedia日本語版「桃太郎」

 https://ja.wikipedia.org/wiki/桃太郎

 ※明治時代の改変についての記述を参照

 「桃太郎の姿が、日の丸の鉢巻に陣羽織、幟を立てた姿になり、

  犬や鳥、猿が『家来』になったのはこの明治時代からである。

  それまでは戦装束などしておらず、動物達も道連れであって、

  上下関係などはない。明治の国家体制に伴い、周辺国を従えた

  勇ましい大日本帝国の象徴にされたのである。」


・Wikipedia日本語版「さるかに合戦」

 https://ja.wikipedia.org/wiki/さるかに合戦

 ※「旅する動物」話型、ブレーメンの音楽隊との関連


・Wikipedia英語版 "Town Musicians of Bremen"

 https://en.wikipedia.org/wiki/Town_Musicians_of_Bremen

 ※Aarne-Thompson Type 130(AT-130)の国際分布


・ArtWiki「昔話桃太郎」立命館大学アート・リサーチセンター

 https://www.arc.ritsumei.ac.jp/artwiki/index.php/昔話桃太郎

 ※江戸時代の桃太郎絵本の詳細な分析


・国立国会図書館「本の万華鏡 第36回 絵本のむかーしむかし」

 https://www.ndl.go.jp/kaleido/entry/36/1.html

 ※江戸時代の赤本についての解説


・国立国会図書館デジタルコレクション『桃太郎の誕生』

 https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1062590



【話型分類】


・アーネ=トンプソン話型索引(AT分類/ATU分類)

 AT-130: Outcast animals find a new home

 (追放された動物たちが新しい家を見つける)

 ※『ブレーメンの音楽隊』系統の話型



【世界の神話・民俗に関する参考資料】


<西洋の使い魔(ファミリア)>

・Emma Wilby の研究(妖精伝承との関連)

・魔女裁判記録(イングランド、1603年魔女法など)


<キリスト教聖人伝>

・聖フランチェスコとグッビオの狼

・聖ヒエロニムス(ゲラシムス)とライオン

・聖セラフィム・オブ・サロフと熊


<インド叙事詩>

・『ラーマーヤナ』(ハヌマーン、ヴァナラ族)

・『マハーバーラタ』(アルジュナの戦車旗のハヌマーン)


<シャーマニズム>

・モンゴル・シベリアのシャーマニズム研究

・北米先住民の守護霊(ガーディアン・スピリット)研究


<ポリネシア>

・ハワイのアウマクア('aumakua)信仰

・カアフパハウ(Ka'ahupahau)伝承



【ミャンマーの類話】


・『日本大百科全書』「桃太郎」の項より

 「ビルマ(ミャンマー)にも『桃太郎』とよく似た昔話があり、

  主人公は『親指小僧』になっている。母が太陽を呪ったために、

  親指大に生まれる。16歳のときに、太陽と戦うために大きな菓子を

  一つつくってもらって出かける。途中、干上がった川の船に会う。

  船は菓子ひとかけらをもらって食べて仲間になる。以下、竹いばら、

  苔、腐った卵が同様にして仲間になる。」



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註:本稿は比較神話学・民俗学的な考察を目的としたエッセイであり、

  学術論文としての厳密性を保証するものではありません。

  詳細な検証には、上記一次文献への直接参照を推奨します。


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【論考】桃太郎の契約 くるくるパスタ @qrqr_pasta

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