キミちゃんが帰ってきたら……

彼の名は「コロ」
名付けてくれたのは キミちゃんだ。

彼女に名前を呼ばれて、撫でられるために僕は生きている。
窓辺に座り、学校に行ったキミちゃんを『待つ』
そして、帰ってきたキミちゃんを玄関で迎えて、彼女の腕に抱かれるまでがコロの一日だ。

つまり、待つことは、コロにとっては仕事なのだ。

春夏秋冬、コロは窓辺でこの仕事をこなす。
そこには辛いも、退屈もない。仕事だから。







しかし、ある日を境にコロの日常が変わってしまう。



キミちゃんが……家に帰ってこなくなったのだ。






忠犬ハチ公を思わせる犬と女の子の絆は、あなたの涙腺を必ず崩壊させる。


願わくば、虹の橋の上で、コロとキミちゃんが再会し、抱擁を交わす日が来ることを、
切に願う。




ご一読を。