主人公は犬のコロ。
犬から見た世界が五感を使って情感豊かに描かれています。
きっと実際にこんな感じで世界を見ているんだろうなと思いました。
コロはある家で飼われていて、その家のキミちゃんという女の子と仲良しです。
キミちゃんの匂い、声、頭を撫でる手の感触、全てがコロにとって愛おしいものだということが文章からすごく伝わってきます。
しかし、ある日からキミちゃんが家に帰ってこなくなります。
彼女にいったいなにがあったのか……。
キミちゃんの帰りをずっと待つコロの悲しい気持ちが読んでいて痛いほど伝わってきます。
切ないですが、とても美しい物語でした。おすすめです。
彼の名は「コロ」
名付けてくれたのは キミちゃんだ。
彼女に名前を呼ばれて、撫でられるために僕は生きている。
窓辺に座り、学校に行ったキミちゃんを『待つ』
そして、帰ってきたキミちゃんを玄関で迎えて、彼女の腕に抱かれるまでがコロの一日だ。
つまり、待つことは、コロにとっては仕事なのだ。
春夏秋冬、コロは窓辺でこの仕事をこなす。
そこには辛いも、退屈もない。仕事だから。
しかし、ある日を境にコロの日常が変わってしまう。
キミちゃんが……家に帰ってこなくなったのだ。
忠犬ハチ公を思わせる犬と女の子の絆は、あなたの涙腺を必ず崩壊させる。
願わくば、虹の橋の上で、コロとキミちゃんが再会し、抱擁を交わす日が来ることを、
切に願う。
ご一読を。