「勘違い」が運んできた、一生モノのメリークリスマス。

35歳の誕生日と重なるクリスマス。
「今年こそは」と自分を磨き、料理を準備し、トナカイの着ぐるみまで着て彼を待っていた清美。彼の無言の退出は絶望となって彼女を襲います。

そこからの逆転劇が、あまりにも愛らしくて、そして尊い!
彼が慌てて家に戻った理由が「自分もトナカイにならなきゃ」という純粋な思い込みだったと分かった瞬間、物語は最高にハッピーなコメディへ。

本作の最大の魅力は、二人の間にある「猫」という共通の絆です。
「クロワッサン」と「しもふり」。
愛猫たちの話に花を咲かせ、プレゼントに「猫用大車輪」を選ぶ……。
等身大で飾らない二人の関係性が、冷え切ったチキンさえも温め直していくような、不思議な安心感を与えてくれます。

派手なパーティーでも、ドラマチックな事件でもない。
けれど、コタツの中で手を繋ぎ、窓の外の雪を眺める。
そんな小さな光こそが、人生で最も輝く瞬間なのだと教えてくれる、珠玉のクリスマス・ストーリーです。