【戦後 東京ダンジョン】出会えてよかった、2025年“名作”ノミネート

終戦直後の昭和二十年・東京に、ダンジョンが存在する世界の物語です。
令和の日本から迷い込んだ主人公が、焼け野原の東京と〝特環〟と呼ばれるダンジョンの現実を生き抜いていきます。

――ただし、爽快な無双ものではありません。

現在、7話目まで公開&読了しています。
もしかしたら物語の全体像は、まだ見えていないのかもしれません。
正直、レビューを書くには早すぎる段階だとも思っています。

それでも――これは、いますぐにおすすめしたい作品だと思い、筆を執りました。

もともと私は木山喬鳥先生のファンで、別の連載作品を追っていました。
新作が始まったと知り、いそいそと読みに来たのですが……これが、最高に面白い。

スキルはある。チート能力もある。
それなのに、強さを消費できる社会がない。
お金を稼げても使い道がない。
ヒロイン的存在とキャッキャウフフ……そんな空気は一切ない。

あるのは、貧困、疲弊、現実、そして戦後の重さ。
「ダンジョンで無双して人生逆転」という文脈が、根こそぎ成立しない世界です。
(※今のところは、です。これから先は分かりません)

語り口は軽妙で、皮肉やブラックユーモアも多く、思わず笑ってしまう場面もたくさんあります。
主人公の行動や判断は、決して善人とは言い切れない。
その危うさが、この物語をただの異世界(異時代)ファンタジーに終わらせていません。

このまま書くと、短編小説一本分くらい語ってしまいそうなので、この辺で……。


とにかく、まだ読んでいなかったら、年末年始にぜひ読んでみてください!

あぁ……やっぱり人間 興奮してはいけませんね。
晴久のこのレビューは駄文になってしまいましたが、
木山喬鳥先生の『戦後元年 東京ダンジョン∇1』は、間違いなく名作です。


(気持ちが落ち着いたころに、レビュー書きなおすかもしれません)

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