処刑された令嬢が令和JKに転生!青春を全力リベンジ
- ★★★ Excellent!!!
正直に言って――本当に面白かったです。
読み始めてすぐ物語に引き込まれ、気づけば一気にページをめくっていました。
処刑台から始まる最悪の幕開けが、そのまま令和の病室へと繋がる導入がとにかく印象的で、ナデシコの「刺激のない日常」と「どうせ私なんて」という諦観が丁寧に描かれているからこそ、そこへレディ(ジェーン・グレイ)の自己肯定感たっぷりな言動が入り込んだ瞬間のギャップが最高でした。重さと軽やかさのバランスが絶妙です。
特に、目覚め直後の問診シーンは声を出して笑ってしまいました。本人は至って真面目なのに、周囲だけが混乱していく構図が見事で、テンポも良く、読んでいてとても心地いいです。それでいて、事故や孤独といったナデシコ側の背景がきちんと効いているので、単なるギャグに終わらず、自然と感情移入させられました。
「平穏に生きたい」と「ちょっとちやほやされたい」という、純粋で欲張りな祈りがそのまま“青春リベンジ”という目標になる流れも好きです。ここからレディがどんなふうに学校生活を引っかき回し、ナデシコの人生を塗り替えていくのか、ワクワクしながら続きを待っています。
楽しくて、可笑しくて、それでいて前向きになれる。
読後に「読んでよかった」と素直に思える、素敵な作品でした。