審査員講評
司会「……あ、ありがとうございました。審査員の方々、いかがでしょうか……?」
ベテラン「……いや、正直、何を言っているのか全く分からなかったねえ。ボケもツッコミも。本当に何を聞かされたのかねえ。最後の方は言語として成立していなかったし……ただ、あの『生臭い匂い』が客席まで漂ってきたのは、そういう演出なの? 正直、心底不ッ快というか……」
中堅作家「最初はね、先生のコントとして見てたんですけど……展開が速すぎるんで。まさに『
そう語る作家の耳の裏から、ドロリとした青い液体が溢れ出す。
大物タレント「(低く、唸るような声で)い、いやん……彼らは、良い『あさだめ』を持っていました 。お母さんの話も、とてもしらぎりとうげんで――ほら、私の足元を見てください」
彼が指差した足元では、彼の靴がすでに「溶け出した肉」に飲み込まれている。椅子の上で、彼の身体は急速に形を失い、ドロドロとした半透明の粘液へと変質していく。
大物タレント「正気でしたら、とっくに置いてきました……深海4000メートルに…… 」
ベチャリ、という重い音が響き、審査員席には三つの「動く粘液の塊」だけが残り、床へと滴り落ちていく。会場には、ただ魚の腐敗臭だけが充満していた。
司会「(震え声で)……いじょう、オゥル・テケリ・リ」
M-Deep-1 脳幹 まこと @ReviveSoul
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます