風の精霊が初めて“心”に触れる物語

風のように自由で、誰にも縛られないはずの精霊シルフが、
ひとりの勇者との出会いをきっかけに「人間を識りたい」と願い始める。
その変化の過程が、とても丁寧で、静かに胸を打つ短編。

精霊たちとの出会いはコミカルで温かく、
勇者との旅は王道ファンタジーの楽しさに満ちている。
けれど物語の核にあるのは、
“精霊が初めて抱いた、名前のつかない感情”。

ファンタジーでありながら、
ひとつの恋の物語としても美しい。