「拡散希望」という言葉を、二度と同じ気持ちで見られなくなる。

読み始めてすぐ、「これ、どこかで見た光景だな」と思いました。
DMの間隔、既読の付き方、妙に丁寧で、どこか壊れた文章。どれも現実にありそうで、だからこそ気持ちが悪いです。
展開自体は派手ではないのに、気づくと逃げ道がなくなっている。その感じがずっと続きます。

リアルすぎるその展開に、実体験を元にしたのではないかと思うほどの解像度があります。
主人公も、特別に愚かな人間ではありません。少し調子に乗って、少し自分に都合よく考えただけです。
だから読んでいて、笑えないし、他人事にもできません。

読み終わったあと、通知音が少しだけ怖くなりました。
それくらい、生活のすぐ横にある潜在的な恐怖を描いた話だと思います。

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# 拡散希望

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