命を燃やす一念の、鮮烈な『赤』

瀬戸内海をのぞむ斜陽の炭鉱町、金魚、座敷牢。
死んだようなモノクロの町で、少年が描いた金魚だけが赤い。
文字が語る映像美とレトロ感。
少し悲しくて寂しくて、懐かしい。
こういう世界、良きですね。
はにかみながら語られる、方言の対話。
少年たちがいる街の閉鎖感や暗さが伝わってきます。

命を燃やす赤と、金魚の赤、血の赤。
ホラー、ミステリー、幻想譚、ぜんぶあるのだけれど、互いを想う情念を貫く、彼らの幼い切実さが、とても好きです。

陽の目を見ずに生を終える宿命に、どういう形で抗ったのか。
囚われた者、解放する者。
虚像と、実体。
幾重にも『うねり』が仕込まれており、読み応えがありました!

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金魚、燃ゆ。

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