国家の本気と少女の謎――心をざわつかせる異色の公安小説
- ★★★ Excellent!!!
読後、頭の中に風が吹き抜けるような不思議な感覚が残りました。エリート警部・中川理沙の現実感と、監視対象の少女シラユキをめぐる“国家の本気”が、コミカルさと緊張感が同居してるのが面白かったです。硬派な公安小説の顔をしつつも、SNSや行政の不条理、心の機微、そして「信じられない現象」が重層的に描かれ、リアリティとファンタジーの境界をたくみにぼかしています。
現実に疲れた大人や社会の理不尽にモヤモヤする高校生にこそ読んでほしい作品です。事件の裏に隠された真実や“世界の広がり”を感じたい人、ミステリーやSF、そしてヒューマンドラマが好きな方にも強くおすすめします。ページをめくるたびに「本当は何が起きているの?」と、心がざわつき、思わず次の展開を追いたくなる――そんな魅力あふれる物語でした。