通知バイブが、世界を変えた

リプライを送る。隣の席で通知が鳴る。
画面を確認する彼女の指先が、私が指摘した箇所を拡大する。

この「証拠固め」の緊張感が、短編としての引力を生んでいる。「那須灯」という名前なのに光を消して生きてきた主人公が、「真白」という名前の絵師に救われていた。

そしてその絵師もまた、「暗黒騎士」の感想に救われていた。

ファンと創作者が互いを救い合う構図が、教室のノイズの中に静かな聖域を作り上げる。

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