「友だちだから」、その一言が胸に刺さる

いきなり妖怪に追われ、「お前は鬼の転生者だ」と告げられる。

そんな展開を全力で否定する主人公の「俺は人間だ!」という叫びが、読者の心を掴んでくれる。助けてくれた天狗・彼方の動機が「宝」ではなく「友だちだから探してただけ」と明かされた瞬間、物語の温度が変わった。

記憶を失った友を、それでも友と呼ぶ。

その真っ直ぐさが、和風伝奇バトルに人情の芯を通している。

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