灯りを消さないためにできること
- ★★★ Excellent!!!
かつては栄えた港町・蒼ヶ崎に戻ってきた、天城蓮。
都内の大手商社に勤めていたけれど、別けあって故郷に戻ってきました。
故郷は寂れてしまっており、アーケードはシャッター街です。天城は老舗旅館・舶灯館で女将をやっている氷川千尋と中学校ぶりに再会して、ひょんなことから旅館の住み込み従業員になります。
収支ギリギリの経営に苦しむ千尋を支えようとする天城ですが、経営の立て直しは一筋縄ではいかず、経営方針の転換・従業員の解雇など苦悩は絶えません。
旅館で働き、なにを守ろうとするのか。
天城は自らに問いかけます。
大切に思うからこそ、悩み、苦しみ、守ろうとする。
そして、そう思ってくれるのは自分ひとりではないという気づき。
それに気づいた時、ひとつひとつは小さかった灯りが、手を取り合って大きな灯りになります。
決して甘いことばかりではないけれど、繋がった手を握り合い、途切れかけた灯りをつないでいく。
これは、そんな温かな物語です。