SF世界で織りなす、人間味あふれるバディもの
- ★★★ Excellent!!!
滅亡の果てに地球から移住した人類は、「ルラキス」という星に安住を見いだす。
それから数千年後、人間は、自律した高次機能AIを搭載した機械知性体・アンストロンと暮らしていた。「アンストロンの法律」に基づき、その知性体も自由と平等を謳歌して暮らしていたが、数年前から突如として暴走するアンストロンが現れ、治安維持のための組織が作られた。
それが、特別管理派遣組織「セーラス」。
「セーラス」に所属する、タカトとディーン。
これは、この二人の友情を描いた、SFアクション作品である。
……というのが、本作のあらすじです。
別作品の続編とのことですが、私は本作から入っています。特に混乱することなく入れたので、前作を知らずとも楽しめる構成になっています。
SFというと科学や宇宙などの難しく重厚な設定と、社会・人類・未来など深いテーマが絡み合ったイメージですが、本作は良い意味でライトです。
人間味のあるキャラクターがリアリティを持ち、背後に人生の厚みが感じられる様子で描かれるため、気負わず読めるけど軽くなりすぎない、丁度良い塩梅です。
特にバディ同士の会話には、互いを思い遣る温かみがあって、読んでいて楽しくなります。
SF好きなもちろん、バディものやキャラ同士の掛け合いが好きな人にもオススメです。