優しさの仮面を被った鎖が、少女の世界を塗り替える──
- ★★★ Excellent!!!
優しい言葉で塗り固められた檻の中で
ひとりの少女の
〝名前〟と〝世界〟が
ゆっくりと組み替えられていく──
その過程を決して大仰なホラーではなく
食事や世話
何気ない会話といった
生活の細部からじわじわと立ち上げていきます
この作品の怖さは
血や悲鳴ではなく⋯⋯
〝愛されているはずの場所〟が
いつの間にか逃げ道のない
〝箱庭〟に変わっていく
その認識のズレにあります。
読むうちに〝みお〟と一緒に
甘い安心と薄氷のような
違和感のあわいに立たされる⋯⋯
静かで淡々とした筆致なのに
読み終える頃には呼吸が浅くなっている──
そんな心理ホラーが好きな方に
そっと勧めたくなる一作です。