「私は見てきた」「私は感じてきた」

作者が日本の過去や歴史を「知識として扱っている」のではなく、一度そこに立ち、見て、感じてから言葉にしているという印象を受けました。

文章の端々に、「私は見てきた」「私は感じてきた」という作者の声が聞き取れ、匂いや風、頬に当たる雨の重さまでが、説明ではなく感覚として受け止めることができました。

一方で、景色や人物がすでに十分語っている場面で、背景や正しさを補足する言葉が前に出る瞬間があり、少しだけ惜しく感じました。

それはこの作品に誠実に向き合おうとする姿勢の裏返しであり、技術的な問題ではないと思っています。

これからも読者を信じていただき、反応の中でさらに磨かれていく作品を楽しみにしています。

その他のおすすめレビュー

天解 靖(あまかい やす)さんの他のおすすめレビュー34