テーマパークのクリスマスが笑えて切ない“時間旅行”になる
- ★★★ Excellent!!!
本作の妙は、テーマパーク現場のドタバタ(オタク文化やSNSの騒がしさまで含めて)を笑いに変えつつ、タイムスリップが「言えなかった言葉」と「後悔」の輪郭を鮮やかに浮かび上がらせるところ。
主人公「僕」ことタテノ。小心者らしい内省とセルフツッコミで、テンポよくストーリーの大枠を作り、ジテーマパーク現場の“お仕事”もの×迷惑系・オタク文化を絡めた現代風コメディ×タイムスリップの中の後悔のドラマを接続した、笑いの中に切なさを差し込む構造。
映画・楽曲・恋愛ワードを引用、連想させるタイトル運用での章タイトルの遊びにも気づくと楽しい。作者のこだわりが見えます。
アニメのシナリオっぽい、軽快な読後感の良い作品です。