日常と怪異が自然に溶け合った、新感覚の草刈りロードストーリー

『仕事を辞めて草刈り屋になる』という一見のんびりした導入から、想像の斜め上を行く展開へと一気に転がっていく怪作です。

個人営業の草刈り屋として依頼をこなしていく主人公の日常は、素朴で等身大なのに、いつの間にか非日常へと巻き込まれていく流れが非常にテンポよく描かれています。


とくに印象的なのは、空腹と謎の息苦しさに襲われた主人公が、黒いモヤを「食べる」という発想に至る場面です。

常識も理屈もすっ飛ばした展開でありながら、不思議と納得させられてしまう説得力があります。


依頼を重ねるごとに規模が拡大し、気づけば全国を駆け回る展開になる構成も痛快で、「勝手に大事になる」という紹介文に偽りなしの内容だと感じました。


肩の力を抜いて楽しめるのに、設定は独創的で展開は予測不能。

気軽に読めて、しっかり印象に残る一作です。

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