緊張感のある物語や、先の読めない展開が好きな方におすすめ!

今作は、王道ファンタジーの導入から始まりながら、その期待を鮮やかに裏切る展開が非常に印象的な作品です。

物語の幕開けで勇者パーティが仲間の裏切りによって崩壊するという構成は、読者の安心感を一気に打ち砕き、否応なく物語世界へ引きずり込みます。


メアリーという存在は、単なる災厄や敵ではなく、敵味方の区別すら曖昧にする「混沌」の象徴として描かれており、その正体と目的が少しずつ明かされていく過程には強い緊張感があります。

誰が味方で、誰が敵なのか。

善と悪の境界が揺らぎ続ける中で下される選択は、常に重く、緊迫感に満ちています。


そのため一つ一つの展開に緩みがなく、読者はページをめくる手を止めることができません。


王道ファンタジーの皮を被りながら、その内側で善悪観そのものを問い直す、非常に挑戦的で読み応えのある一作です。

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