さっきまで笑えていたはずなのに、次のシーンではホラーな筆致が差し込まれ

無機質で温度のない発言や、淡々とした観察眼はシュールな笑いを誘い、コメディのようにクスッとさせられる。一方で、要所要所にホラーな筆致が差し込まれ、「笑っていい相手じゃない」「こいつはやばい」と、こちらの気持ちを一瞬で引き戻してくる。この緩急がとにかくすばらしい。

さらに、一コマ一コマが映画のカットのように鮮明で、情景が脳内で自然に映像化されていきます。さっきまで笑っていたはずなのに、次のページでは不穏さがじわりと染み出してくる──その絶妙なバランスが中毒的で、ページをめくる手が止まりません。

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