【短歌】ひとりぼっち

とろり。

ひとりぼっち


眼鏡持ち「見えないみたい」呟いて眼鏡のツルを空に掛ける


僕だけのぼやける景色輪郭が見えないままで見れた青空


林檎ジャム完成前の鍋の中 心が泣いた音が聞こえた


午後三時笑って食べたはずだった曖昧なまま目を瞑った


おかえりの返事を聞いてホッとした 時はもう無く夕焼けの空


そこに居たはずの姿が薄霧の中に涙を流して消えた


テーブルに二つの椅子の一つだけ使われないで空白を生む


残された手紙を開けて読み出すと特別な愛まだ残ってた


叶わない願い祈って落ちだした窓の外には流星群


ボールペン握ったままで空欄が空欄である婚姻届




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【短歌】ひとりぼっち とろり。 @towanosakura

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