非常に熱く、そして規格外の武器を持つ主人公のワクワク感が伝わってくる

ただの天才ではなく、「元ゴールキーパー(GK)」いう設定が効いています。 GK特有のパントキックの筋力と技術を、サイドバック(SB)の位置から解放するという発想が面白いです。通常、サッカー漫画ではドリブルやパスが注目されがちですが、「飛距離」という純粋な物理的パワーで戦術を破壊する(アンチフットボール)という切り口に、新しいスポーツの形を感じました。

佐古剛、 超人的なキックを持ちながら、中身は「モテたい」「宿題忘れた」と浮足立つ、どこにでもいる17歳。その等身大のキャラクターが読者の共感を呼びます。

垣谷陽一、 天才ゆえのプライドと、佐古に対する「過去の因縁(悪夢)」を抱えるライバル。彼の視点が入ることで、佐古の異質さがより際立っています。

磐田のベテランGK、 引退試合を壊された悲哀と、それ以上に「ありえないもの」を見た衝撃。彼の視点から始まる冒頭は、物語の引きとして完璧でした。

非常に熱く、そして規格外の武器を持つ主人公のワクワク感が伝わってくる面白い作品でした。

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