案内先は、やさしさと癒しに満ちた日々

物語の舞台は異世界の、雪深い山間の村。
主人公のナギは、気さくで村人からの信頼も厚い山の案内人です。

ある日、一人の男がナギに山の案内を依頼するのですが……このお客、どうにも怪しい男なのです。
夏なのに黒い外套姿で顔は見えないし。背中には剣を持ってるし……。

しかし、この謎の客:アザードは、とある事情で、この地に伝わる「願いをかなえてくれる龍」を探しておりまして――。


やさしい語り口の、読みやすい作品なので、子供から大人まで、手に取りやすいと思います。
そして、語り口もさることながら、物語そのものも、やさしさと癒しに満ちた、心が温まる作品です。

色々なものを抱えながら、傷つき、この村にたどり着いたアザードが、ナギをはじめ村の人たちと何気ない会話を交わしたり、お茶を飲んだり、ご飯を食べたり。そういう何でもない日常の端々に、アザードの抱えた傷を癒す力が満ちているのを感じるんですよね。

異世界の作品なのですが、この不思議な力はきっと、我々の世界にもあるはずなんだ、と信じたくなりました。

日常の中のやさしさを重ねた先に何があるのか。アザードとナギの案内に最後までついていきたいな、と思いました。

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