冬の花が織りなす、恐ろしく美しき幽世の話

花屋に行けば常に明るい色の花を愛でることの出来る昨今と画して、冬に咲く花をしっかり捉えている作品です。
随所に散りばめられた、心臓を素手で触られるような恐怖感は、人が元から持つべき人知を超越した存在に触れた心地になるから得られるのだと思いました。

それなのに、何故か物悲しく、生々しい怖さもあるのは、物語を通して全てに芯の通った心を感じるからでしょう。
ぜひご覧下さい。
そして、季節が巡る度に読み返してください。
一読では勿体ない作品です。

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