奪われた“たったひとり”のために――翠の魔女は風を呼ぶ

この作品、ただのファンタジーではありません。

出会いの瞬間から物語は優しく息をし、
旅の温もり、失われる痛み、取り戻すための祈りが
ひとつの“風”として読む者の心を撫でていきます。

特筆すべきは ナナとトキの心情描写の細やかさ。
互いを想う気持ちが、風のようにすれ違い、触れ合い、
そして空へ翔ける瞬間に爆発する。
第14話の「墜落のキス」は涙腺に直撃する名シーン。

さらに魔蔦、封印の匣、古代人など、
世界観の奥行きがある設定が自然に物語へ織り込まれ、
バトルも感情もストーリーも全部“ちゃんと熱い”。

ナナの覚醒シーンの美しさは圧巻。
風の魔女が空を翔けるシーンの躍動感は、まさに映像のよう。

・優しくも激しいファンタジーが好きな人
・逃避行 × 心の交流がツボな人
・熱い覚醒・魔女バトルが好きな人
・心がぎゅっとなる純粋な絆を求める人

全員におすすめです。

読むほどに風の音が聞こえる物語。
この作品は、間違いなくあなたの心にも“翠の風”を吹かせてくれます。

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