このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(245文字)
女子高生のとき、誰もが一度は心のどこかで抱いた“ふわっとした憧れ”。めちゃくちゃ格好よくて、優しくて、ふとした瞬間に胸が高鳴ってしまう──あの“王子様”みたいな女の子。本作は、その甘くて淡い一瞬を、まるでポートレートのように切り取って見せてくれる小さな宝物。胸の奥にそっと灯がともるような、ほんのり甘い百合のひと欠片をどうぞ。