現代司法の限界に挑む、考察型社会派小説
- ★★★ Excellent!!!
『私は真嶋聡さんを殺していません』は、ミステリー好きにはたまらない骨太の社会派作品です。何より印象的なのは、主人公・五十嵐慎哉が地道に事件の裏を追い、裁判や証拠の“当たり前”にひとつずつ疑問をぶつけていく姿。彼の記者としての執念や、証言や証拠の不確かさに目を向けるまなざしが、どこまでもリアルで共感できます。
現実の司法制度やSNS社会の矛盾、人間関係の闇も丁寧に描かれ、単なる冤罪ものでは終わらない深みがあります。「正しさって何?」「本当に真実は一つなの?」と、自分のことのように考えさせられるのも魅力です。
謎解きの面白さはもちろん、現代社会の課題に関心がある方や、人の心の機微を味わいたい読者にぜひおすすめしたい作品です。リアルな社会派ミステリーを読みたい人にこそオススメします。