な、なんなんだこの設定は一体……
主人公の吉田くんは範田さんから「友達になって欲しい」と言われ、それと同時に「お父さん」を紹介されることになる。
彼女のお父さんとは、範田さんの「巨大な右手」として存在しているのがわかる。
言葉は喋れないが、手の動きなどで大体の感情は伝わって来る。
以後は恋人になり夫婦にもなるのだが、それでも彼女の「右手」として父親はずっといる状態に。
これは、どういう存在と捉えれば良いのか。
某「妖怪アニメ」のお父さんのように「こぶしの親父」とでも言うような存在なのか。または、某「頭ではなく右腕に寄生した生物」のように、範田さんの右手に寄生して生きているのか。
謎が謎を呼ぶ設定の先で、やがて吉田くんたちの人生には大きな変化も訪れて。
なんとも想像力を刺激される作品でした。裏にあるのはどんなファンタジーで幻妖な世界なのか。本作を読むと色々と想いを馳せたくなります。
主人公の吉田君はクラスの範田さんに恋をした。目立つ子でも、悪目立ちする子でもない範田さん。唯一気になる点は――彼女の右手が大きいこと。
吉田君は範田さんと友達になることに! おもいがけない幸運と共に、吉田君は彼女の右手が握る秘密を共有することになる。
お父様!?と驚きました。吉田君と範田さんとお義父さんの生活は、不思議だけど温かで幸せそのもの。きっと、明るい未来を築いてゆくと信じて疑いませんでした。しかし、この作品のジャンル……ホラーなんです。
作中にホラーの片鱗が見え隠れしているのですが、幸せの方が色濃くて。気づいた時にはもう恐怖の中でした。ぞくりとする、約束された恐怖。
読後は範田さんお父さんのことをずっと考えていました。
面白いけど怖い! 皆様も、吉田君の運命を見届けてください。