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漆喉——百年の供物記

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概要

飢えは終わった。だが、喉はまだ焼けている。
享保の飢饉で始まった、名もなき村の供物の掟。 双子が生まれれば、遅く出た子を二十歳で喉を焼き、鍋に沈める。 漆汁で声を奪い、肉を分け、血を井戸に流す。 掟は昭和で途絶えたが、呪いは喉に残った。 令和七年、百歳を迎えた無導寺寅彦の喉から、百年前の汁の音が響く。 飢えは終わった。だが、漆の味は、まだ生きている。
  • 完結済 全5話
  • 2,474文字
  • 更新
をはち
  • @kaginoo8

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