母は何も語らず、箸を持ち、静かに頷く。その姿は言葉以上に親子の間に交わされる愛情がしんみりと伝わる描写が美しい。特に最後の「美味いか?」という一言が波紋のように心に広がり、いつまでも余韻を残す秀逸な一篇です。
切ないのに、ホラーなのに、あたたかい気持ちになりました。温泉に行こうと思い立った主人公に起きた、あたたかい奇跡のお話です。作者さまは、実際に遭遇したら怖く感じるだろう存在をかわいらしく描くのがとてもお上手です。こちらの作品に登場する女性もまたかわいらしい。そしてそれだけでなく、主人公の心の美しさも、切なくもほっこりと伝わってきます。所々にある、くすりとできる描写も楽しみました。あまり語っては彼らに出会う楽しみが小さくなってしまうかもしれませんね。素敵な作品です。ぜひお読みいただけたらと思います。
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