おどろおどろしいスタートからの、ラスト三行の美しさ。陰と陽の二極の物語

それは、歩道のない道路脇に置いてあったそうなのです。

木箱でした。ずしっと重たく、大きさは1m四方でしょうか?
組み立て式の椅子が運搬される段ボールくらいの大きさの、木箱でした。

主人公が興味本位で開けてみると……
なかは液体。そしてところどころ肉塊が浮かび……
液体もよく見れば血。


こんな2chの洒落怖もびっくりな怪談話なんですけれども、
読み進めていくと毛色が変わって参ります。



文章上の慣れというか「あ、そういうものなんだ」と理解してしまうのは怖いものでして、読み手であるこちらも「そういうもの」として扱ってしまうのですな『彼女』のことを!

それで、絵に慣れてくるとあ、意外と可愛いところあるんだなとか思ってみたり


それでラストはですよ!?
なんとロマンチックに終わるんですよ。


ふざけて書いてないですよ!? 本当なんです!

一万七千文字と、若干カロリーのある物語ですが、
そうですねえ……墓場鬼太郎ですとか……みずきしげる先生作品が好きな方はハマるのではないでしょうか?


お勧めいたします。

ご一読を。