概要
鴻篇巨製は——あなたの手で。私はもう石なので、あとは任せました。
ある遊歴者がいた。名を疾侠客(しっきょうかく)という。彼は名山を巡り、数多の人物と出来事を目にした。しかし何も書き残さなかった——ただ、石となった後、その身にすべてを刻んだ。
後年、道人・実実道人(じつじつどうじん)が海と地の交わりに聳え立つ巨石を発見する。石には夥しい文字が刻まれていた。創世神Zip、大聖賢たちの興亡、教廷の成立と腐敗、東方の民を率いた黑衣可汗の悲劇、魔導技術の祖となった女性と名さえ誤られた助手の物語。
これは「物語」ではない。「記録」である。
小説ではなく、史料である。
だが、刻まれたのはすべてではない。ある伝記は数行で終わる。ある戦役は「一箭斗殺」の一言で済まされる。ある人物の生涯は、名前すら「不详」と記される。
なぜなら、私はもう石だから。続きを書くことはでき
後年、道人・実実道人(じつじつどうじん)が海と地の交わりに聳え立つ巨石を発見する。石には夥しい文字が刻まれていた。創世神Zip、大聖賢たちの興亡、教廷の成立と腐敗、東方の民を率いた黑衣可汗の悲劇、魔導技術の祖となった女性と名さえ誤られた助手の物語。
これは「物語」ではない。「記録」である。
小説ではなく、史料である。
だが、刻まれたのはすべてではない。ある伝記は数行で終わる。ある戦役は「一箭斗殺」の一言で済まされる。ある人物の生涯は、名前すら「不详」と記される。
なぜなら、私はもう石だから。続きを書くことはでき
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